年明け第一弾でございます。もう二月に入ろうというのに…。
先日本屋で、日本各地に残された「廃墟」の本を何気なく手にとった。たいていの建造物には、それがどんなにぼろっちい廃墟であろうと、所有権はいずれかにあるはず。ということは、これって不法侵入ってやつじゃないの? なんて思いながらペラペラとページを繰るにつれ、写真に写された建物にぐいぐい引き込まれ、わたしの右脳はフル稼動〜。自分が侵入者になった気分だ。立読みだったのでほどほどにして本を置いたが、どうやら侵入したのはわたしの方ではなく、廃墟の方がわたしのアタマの片隅に侵入してしまったようだ。
その翌日、自宅でテレビを見ていた。お昼時の奥様たちをターゲットにした類の番組だ。バカバカしさを通り越して芸と化したオーバーリアクションのレポーターが「廃墟シリーズ」なるものをやっているではないか! その回は、防空壕跡だの中島飛行機工場跡だの、廃墟というよりは「今も残る戦争の爪跡」だったけど、スタジオの司会者はたしかに「廃墟シリーズ」って言っていた。
廃墟って流行っているの? 本になるくらいだもんなぁ…。昨日のこともあるので早速ネットで検索してトップに出てきたサイトをのぞいてみた。ほんのちょっとのぞくだけのつもりだった。ところが昨日の本屋での立読み同様、ああ、どんどん深みにはまっていく〜。恐い〜、もうこれ以上進めない、もうやめよう、でもあとちょっとだけ…。
大浴場もなくお世辞にもセンスがいいとはいえないホテル跡。外観は洋風なのに室内は団体様向けって感じの中途半端な和室だったり、ヘンな亀の置物があったかと思うと西洋画が掛かっていたり…(座布団だの浴衣だの全部置きっぱなしってことは、夜逃げ同然だったのかしら?)。バブルのころってそれでも成り立っちゃうようなそんな時代だったよなぁ…。
さらに「後継ぎがなく途絶え、廃墟となってしまった元豪農の家」なんていうのもあった。布団や子どもの靴、台所の洗剤や御先祖の写真までも置きっぱなしってことは、やっぱり夜逃げ同然ってことなのかなぁ? 今はひっそりとどこか寂しげに佇むこの家も、かつては多くの人々が訪れ、子どもたちの遊ぶ声や大人たちの活気で、にぎわっていた時代があったんだろうなぁ…、なんて想像すると、う〜ん、感慨深いじゃないですか! 退廃的なものってなんとなく心惹かれる性質でして、エヘヘ。衰退の美とでもいうのでしょうかねぇ…。
高度成長期に建てられ今は廃墟となった団地には、「心霊系(彼らは「廃墟系」、「心霊系」と区別するらしい)の間では「幽霊団地」なんて呼ばれているけど、かつてこの団地で子ども時代を過ごした人たちは、悲しいだろうなぁ…」なんて書いてあって、「廃墟系、いいぞ!」なんて応援したくなっちゃう(しつこいようですが不法行為はいけません)。
これらの建物はたいてい若者のストレス解消に使われているそうで、壁が壊されたり荒らされたり、落書きやゴミで酷い有様になっているんだけど、なかには非常に保存状態(?)のいい廃墟もあって、その姿は本当に美しい。役目を終えて佇むその姿は、年月を重ねてこそ出せる色合い、セピア色に褪せた壁・錆びた門や歪んだ柱。いまは人の姿はないけれど、建物そのものが人間の気配や体温を含んでいるようで、「いろんな感情が入り混じっている場所」、そんな気がした。
だからと言って、「実際に廃墟を自分の目で見てみよう!」なんてことは考えません。……だって、やっぱり、なにか出そうで恐いんだもん。
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