旅行記を書くのは久しぶりだけど、旅行には毎年行っていましたよ。書かなかったのは、海よりも深く空よりも広いわけがあって、けして「面倒くさかった」わけではないので、そこらへんくれぐれもよろしくお願いします。
で、今回は憧れの地、「ラオス」でごさいますよ。
「ラオスって何があるの?」と、いろんな人に聞かれたけど、「何もない」というのが正解です。いやいや正確には、世界遺産のワット・プーや古都「ルアンパバーン」など、それなりに観光できる場所はあるようだけど、今回は安いツアーを見つけ、何にもない首都「ビエンチャン」に行ってきました。
メンバーは、「LOVE JUNK」記念すべき第1回に書いた「ホーチミン」と同じ。このメンバーでの旅行ももう5回目、最強で最高のメンバーのおさらいをしておきましょう。今回は登場人物の名前を夜の樹の芝居風にしてみました。(笑)
【女1】旅慣れていてめし屋選びに鼻が利く。英会話が得意で大活躍! が、計算にすこぶる弱いので、値段交渉には問題あり…。
ラオスでは…マッサージの店でラオス新聞の取材を受ける。記者の人も彼女の英語力を見抜いたのだろうか、迷うことなく彼女に取材を申し込んでいた。また、10人しかいないというラオス人の日本語ガイドに悩みを相談されていた。「ニホンゴ モット ベンキョウ シタイデス」、「オオサカ ノ ヒト コワイ デス」、「オオサカ ノ コトバ ワカリマセン」と…。
【女2】とにかく用意がいい。水、薬、湯沸かし器などいろいろ持ってくるので、困ったとき頼りになる! が、チケットやホテルの手配などは人任せで、メールの返信はアジアの郵便事情並み…。
ラオスでは…市場でシルクの布を勢いで購入、店のおばちゃんの勢いに負けたらしい…。おかげで一番最初に所持金が底を突く。また、帰りのハノイ空港でのトランスファーの酷さに人格崩壊を見せるが、ビールを補給したとたん至福を取り戻す。
【女3】方向感覚がよく行動力に長けている。人懐っこくて現地の人とすぐ仲良くなる! が、ハプニング遭遇率ナンバーワン! それに腹が弱い…。
ラオスでは…唯一下戸の彼女は飲み物には細心の注意を払っていたのに、帰国後、腹がおかしいらしい…。昼食を食べた店で店の人が運んできたスープを左手にこぼされ、すぐさま店の奥に連れていかれ緑色の怪しい薬を塗ってもらう。同じ日の夕方、女2が、飲んでいたお茶を彼女の左手にこぼす。
【女4】下調べに一番熱心。本、ネット、口コミなどあらゆる手段を使って、オリジナルガイドブックを作る。が、やや危ない橋を渡りたがる傾向があり、みんなを困らせる…。
ラオスでは…「ブッタパーク」という妙に怪しい寺があると聞いて、「行きたい、行きたい」と言っていたくせに、観光名所になっていると知ったとたん、「どうでもいい」と言い出す。ところがガイドさんに「市場の裏のバスターミナルでバスに乗れば、30分くらいで行けるよ」と聞いたとたん、「行きたい、行きたい、バスに乗りたい」と言い出す。結局、賛同者を得られず、市民バス体験は果たせずに無念の帰国。
とまあ、メリット・デメリットを持ち合わせたメンバーで、ちょうどいい加減。
日本からラオスへの直行便はないので、ベトナムの首都ハノイで1泊してからラオスへ入国。毎年この時期に暑い国へ行っているので、今回も成田を出発した時点で気分はすでに南国。コート類は成田の手荷物預り所に脱ぎ捨てた。
ところが夕方、ハノイに着いてびっくり!
「さ、寒い…」
気温18度、小雨が降り出し体感気温15度くらい? 想定外の寒さとお馴染みの交通量とクラクションの洪水でテンションが下がる。しかもホテルの湯量は限られている…。ここで一気に気分を盛り上げるべく「足湯」大作戦! とにかくたくさんのお湯は出ないので、ひとつのバスタブに少しだけお湯を溜め、ズボンをまくりあげ、4人で「きゃっきゃ、きゃっきゃ」言いながら足湯をしたのだ。
「きゃ〜、やめてよぉ!」
「きゃ〜、ぬれちゃうでしょぉ!」
さながら海辺のカップルのよう。
……なわけないでしょ!
実際は、
「うぉ〜、シビレル〜」
「もあぁあ〜、最高〜」
だった……。
翌日朝、ハノイには何の思い入れも心残りもなく飛行機に乗り込み、ついにラオスの首都、ビエンチャンに到着〜。期待通りの暑さに、一気にテンションが上がる。ツアーにくっついてる半日観光をサクサク終わらせ、あとはまったりのんびりだ〜! ビエンチャンはタイのチェンマイと少し似ている気がする。
ところで何度も書いているように、わたしたちは毎年、このインドシナ半島を旅してきた。最初に行ったのがバンコク、王道だ。バンコクは、ここ数年で飛躍的に大都会へと変貌しているが、貧富の差は激しく、町を歩くときは「騙されないぞ」、「ぼったくられないぞ」と気を張って行動することになる。
初めてのバンコクですっかりアジアの洗礼を受け、どの国に行っても同じようにしてきた。屋台でご飯を食べていると必ずよってくる物乞いのこどもは追い払い、モノを買うときは1円でも安くと値段交渉をしてきた。値段交渉は楽しみでもあるんだけれど、去年あたりから「避けるばかりっていうのもちょっと違うかなぁ〜?」と思いはじめている。
去年は、カンボジアのシェムリアップに行った。カンボジアでもご多分にもれずこどもたちが「わっ」っと集まってきて、「あれ買え」「これ買え」とうるさい。「??」と思われるようなブレスレットだの絵葉書だの…。買ってもいいけどほしいと思うものはほとんどないから困る。
これらのこどもたち、いままでなら「無視」を通してきたのだが、あまりにもしつこく黙って付いてくるので、あるときふと、「いくつ?」と話しかけてみた。すると、恥ずかしそうに「9」とか「6」とか、手で示してくる。そのはにかんだ笑顔がかわいい。英語はもちろん、日本語をしゃべる子もいる。「目がおっきくてかわいいね」と言ったら、「アナタ メ チィッチャイネ〜 ケラケラケラ」と笑われて殺意を覚えたこともある(笑)。どれを買おうか散々迷っていたら、「もう学校に行かなくちゃならないの! 早く決めて!」(←英語)とせかされたこともある。
遊んでいるときはいたって普通のこどもたちの生きていくことのたくましさなんかを見せつけられると、「なんだかなぁ〜」、「どうしたものかなぁ〜」と思ったりする。
で、今回もそのつもりでいた。けれども「ラオスはちょっと違うぞ」と感じたのだ。まず値段交渉が通じない。多少の値引きはあるけれど、他国で通説だった「最初の言い値から半分になる」が通用しない。交渉しても、「最初の言い値がすでにこれだけ安くしてるのよ」と言い張る。「じゃあ、もう買わないよ、行っちゃうよ」というそぶりをしてみても、「それなら仕方ないね、さよなら」という態度。
「はて、ラオスには、観光客価格は存在しないの?」
「はて、ラオスには、値段交渉ってないの?」
ビエンチャンだけの話なのかもしれない、真相はわからない。
滞在中に見かけた物乞いのこどもは2、3人程度。しつこい物売りもなく、ときどき声をかけてくる「トゥクトゥク」も「歩くからいらないよ」と言えば、「そうかい! 気をつけてな」とばかりに「ニコッ」と笑顔が返ってくる。だれでもどこでも目が合うと「ニコッ」と微笑み返し。素晴しい!!
それからビエンチャンには、アジア特有の混沌とした雰囲気があまりない。市場にあった公衆トイレは意外とキレイだったし(少なくともハノイ空港のトイレよりはキレイ)、車のクラクションも滅多に鳴らない。しかし、「これから観光客がもっと増えたら、変わり果ててしまうのかなぁ、変わらないでほしいなぁ…」と思うのは、観光客のエゴでしょうか…。
そんなラオスで3日間、なにをしていたかと言うと、
「ビールを飲んでました!」うひゃ。
市場に行ってはビールを飲み、メコン川に行ってはビールを飲み、マッサージを受けてはビールを飲み、「薬草サウナに行ったらビールが抜けちゃった」と言ってはビールを飲み、ホテルに戻ってまた1本…。3日間でひとり6リットルは飲んだと思います、たぶん。「ラオビア」のダークがおいしいんだもん、オホホホ。
実は、ラオスのビールには思い入れがある。「ラオスでは、メコン川に沈む夕日を見ながら飲むビールが最高なんだって!」のことばにずっと憧れを抱いていたのだ。そしてついに実現! 一日だけだったけれど、そりゃもう最高でしたよ。わたしたち、うっとりマッサージを受けていて、ハッと気づいたら日没直前。「急げ!」と川原に向かって走り、近くにあった屋台でビールを注文。ギリギリセーフ! 素晴しい景色に感動してさてお会計という段階になって、お店の女の子が言った、
「ドルは使えないの」
ガーン! そのときのわたしたちは、ラオスの通貨「キップ」を少ししか持っていなくて、みんなの持っているキップを集めてもビール代までにあと少し(←10円くらい)足りない。
「あたしたち、ここでビール代ぶん働くよ」などと冗談を言ってみても通じていないし、彼女も困ってる。結局、隣の店で両替してもらいました。
ビールといえばもうひとつ、夕食を食べた屋台でのこと。その屋台には飲み物はなくて食べ物だけ。「じゃあ、あそこのお店で買ってきて、ここで飲んでもいい?」と許可をもらって、いざ飲もうとしたら、「あ、栓抜き・・・」ラオスは、ビンビールがほとんどなのだ。
すると、屋台の女の子が「あるよ」と言う。よかった、よかったと安心していたら、「いくよ、開けるよ」と、なんとその子、歯で開けた、3本も! わたしたち拍手喝采でした。
と、こんな感じであっという間に帰国の時間になり、「やだなぁ〜、帰りたくないな〜」と言いながら空港へ。搭乗時間になってふと前方を見ると、我が家の庭にあってもよさそうなホース状のもので、チョロチョロと給油しているプロペラ機が…。
一同、「いやだー! 帰りたくない〜!」と胸中で絶叫したのでありました、おしまい。
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