注 「こども」とは、「今どきの小学生あたり」を指します。
こどもの時分、わたしにとっておとなはあこがれだった。「こどものままでいたい」とか、「こどもにもどりたい」なんてことばを聞くけど、わたしは「はやくおとなになりたい」だったのだ。なぜそう思ったのかは、育った環境とか性格とかいろいろあるんだろうけど、とにかくこども扱いされるのがムショウにいやだったのだ。
そんなわけで、おとなになったらあれしよう、これしよう、と思っていたことが山ほどあって、二十歳になるときはワクワクしていたような気がする。おとなにはとてつもない苦労があって、しがらみとか付き合いなんてのは、こどもでもあったと思うけど、税金も収めなきゃならないし、からだも古くなるし、なんてことはあんまり考えていなかったように思う。
そうやっておとなになったわたしは、たまにこどもをみかけると、「いいだろ〜、おとなの特権なのよ」とばかりに、得意になって「おとな」を見せつける癖があるように思う(何とも大人げない行為じゃ)。
しかし、ちょっと待て。よく見ると、わたしが成し得なかった大人遊びをまわりのこどもたちは、しっかり謳歌しているじゃないか!
●居酒屋につれていってもらえる。
→からだが拒否しても心が居酒屋を求める。
●夜更かししても怒られない。
→夜更かしはあこがれだったが、今では早寝があこがれだ。
●半分の料金しか払っていないのに、電車でおばさんに席をゆずってもらえる。
→正規の料金を払っているのに、せっかく空いて座った席を強引な若者に取られる。
●ピアスしていても不良じゃない。
→高校のとき、親との大バトルのすえやっとの思いであけたピアスは、面倒くさくて三ヶ月に一度くらいしかしない。
●パーマとかヘアーカラーとかいっぱい楽しめる。
→お金がないので楽しめない、のばしっぱなし。
●学校に長ズボン(注 今で言うパンツのこと)をはいていってもおしゃれだ。
→私の通っていた小学校は、冬でも基本的に長ズボン禁止だった。今では、見苦しいという理由でスカートはほぼ禁止にした。
●化粧をしていなくても「かわいい」と言ってもらえる。なのに化粧してる。
→化粧をしていても「かわいい」とだれも言ってくれない。
ズルい、ズルすぎる。すっかりおとなの特権がなくなっちゃてる。小学生・中学生ならまだ見た目でこどもだけど、高校生にいたっては、おとなとたいして変わらないじゃあないか! こんな世の中、さびしい。おとなだけの楽しみってなんだろう? しばらく考えてみようっと。
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