2004年「やぶにらみのアリス」舞台写真館

写真撮影 宮本成美
まいったな、遅刻だぞ。
井の頭線で行くのか、それともここにとび込むか?
落ちてくるのか、アリス。あの日、お前がホテル代を節約して忍び込んだこの神泉駅前のアパートの、空き部屋の、むきだしの畳の上に・・・。
アリス、お前はあの晩、ネパール人のゴビンダさんに、この畳の上で殺されたのだ!
今晩は、わたしとセックスしませんか? 4千円にオマケしときます。
根性曲がりの娘(こ)が根性なしの娘をイジメルみたいに爪をたててキッと、抓ってごらん。
この男の刃物に切り裂かれながら、血まみれの山羊のように、痙攣する天使のように・・・
ああ、ゴビンダさん、もっと泣いて! 感じるわ!
おれ達はこれから、女王さまご一行を駒にして豪快な遊びをするんだ。
最初に勝った者の首を最初に刎ねる。
つまりあんた(王様)の首をいま落とす。
お前の出すグー・チョキ・パーには、つね日ごろお前が心の奥に秘めておる本音が託されておるそうだな。
あなたとはオヤジ狩りでせっかく気が合ったのに、これでお別れだなんて、残念だわ。
「すれっからしじゃない!」って叫んでいるあんたの隣に、「すれっからしでわるかったわね!」って笑いながら舌を出してるあんたが立っているじゃないか。
アリス、あなたと勝負しよう。わたしはナイフの戦いがすごく上手いよ。
あのギロチン台のうえのほうがもっと燃えると思う。ああ、考えただけで濡れてくるわ。膝がふるえている。
ゴビンダさん、誰がアリスを殺したかをたずねても無駄よ。いつだってアリスは処刑の場に傷だらけの身体を置き去りにして、新しく生まれ変わって、飛んでいくだけなのだから。
「ゴビンダ・プラサド・マイナリは、このセックスの終わりで、アリスを殺すのか?」夢の中でそうたずねながらわたしはアリスの眼を見上げた・・・

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