2005年 第22回公演
「螺旋袋とじ〜キャベツ畑の中の遠い私の声」
舞台写真館
写真撮影 宮本成美
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中になにも入ってないのに「袋とじ」はないでしょう。 |
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ぼく等は、この閉じられた劇場のなかで、透明な記憶だけを集めて燃やすエンジンを内蔵したオートマティック・マシーンになろう。 |
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でもそれは、わたしだけの胸の奥に秘めたわたくし事でさ、あんたの知ったこっちゃないだろ。山奥で音たてて一本の木が倒れても、誰もその音を聞いてなかったら、そんなことはなかったのさ。 |
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あんたへの恋を断ちつつ恋い焦がれ・・・「恋絶つは水断つよりも淡きくるしみか」ってか? |
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本当にこれ、あなたのお父様のつけた印なの? |
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女二 またそういう嘘をつく。 男三 ・・・え? |
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二日目の明け方・・・その女の人と、「あっ」て間に終わっちゃったセックスをして・・・家に帰った。それ以来、親父には会っていない。 |
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あんたは実の妹に惚れるという畜生道に堕ちて、村を追われて落ち延びていく自分を、いま、そこから眺めているんだ。 |
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お前、夢の中でこう叫んでいるな、「・・・それだけのことなら、この夢にはもっと救いがあるはずじゃないか! 畜生道に堕ちてさんざん泣いた者だけにさずかった自堕落な歓びを抱えながら、二人で落ち延びていくはずじゃないのか!」そう叫んでいるな。 |
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劇場へ行ってごらんなさい、あなた達と同じ症状の患者たちをイヤというほど観察することが出来ます。俳優たちです。 |
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当時、社会主義リアリズム演劇を信奉する日本の新劇の俳優たちは猫も杓子もこの〈公開の孤独〉の洗礼をうけたのです。 |
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「劇場へ行ったら離人症の患者そっくり俳優にいくらでも会えますよ。」って誰かが言ってたじゃない。 |
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時が将棋倒しに倒れながら心地良く前に向かって進んでゆくあの感じが消えてしまった。 |
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いまこの舞台の上の広場で、風は死んで旗は空に貼りついたまま動こうとしないんだ。 |
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お前はそこに、・・・そう、そうやって、軽く首をかたむけて、目の前のジグソーパズルを覗き込んでいた。 |
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本に書いてありました、離人症というのは耐え難い現実から逃れようとして自らが企てた、自己意識の自殺行為なんだそうです。そこにちゃんと意志が働いているんです! |
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高い梯子の上から樽の中へ飛び込むイタリア人のショーを見たね。 |
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血走って、屁理屈ならべて、相手を〈叩きのめそう〉と、依ってたかって怒鳴りちらしてるだけじゃない! |
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青梅の平野部は、この多摩川の手前で終わります。 |
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この辺の第二段丘はわりあいなだらかな雑木林の斜面になっていまして・・・ |
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一つの都市を滅ぼし、拭い去るまで、河は夜の中を、東へ向かって流れつづける。 |
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朝の六時。夫のランニング・シューズが、裏庭を横切って、雑木林の斜面を駆けおりてゆく。 |
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わたしは誰も許してはいなかった。許してもいなければ、罰してもいなかった。ただ、わたしの周りでかすかに風が動いていた。・・・風は、長い時間をかけて風はわたしの中へ降りてきた。 |
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